大阪地方裁判所 昭和51年(行ウ)47号〔2〕 判決 1980年5月21日
豊中市庄内西町二丁目九番二一号
原告
森井千代子
訴訟代理人弁護士
永岡昇司
東京都千代田区霞が関三丁目一番一号
被告
国税不服審判所長
岡田辰雄
指定代理人検事
片岡安夫
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一当事者の求める判決
一 原告
被告が昭和五一年六月二二日付でした、原告の昭和四五年分及び同四七年分の所得税の再更正処分及び重加算税賦課決定処分についての審査請求を棄却する旨の裁決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
二 被告
主文同旨。
第二当事者の主張
一 原告の請求原因
(一) 原告は、昭和四五年分及び同四七年分の所得税について確定申告をしたところ、訴外豊能税務署長は更正処分を経たうえ、昭和四九年六月一五日、再更正処分及び重加税賦課決定処分(以下本件原処分という)をした。この確定申告、更正、再更正処分等の内容は別紙のとおりである。
原告は、本件原処分について、異議手続を経たうえで、昭和四九年九月三〇、審査請求をしたところ、被告は、昭和五一年六月二二日、これを棄却する裁決をした。
(二) 原告は、昭和五〇年一月二四日、被告の担当審判官に対し、口頭で書類の閲覧請求をしたが、担当審判官は、原告にその閲覧を許さなかつた。
(三) 被告の本件裁決は、国税通則法九六条二項に反する違法な手続でされた点で違法であるから、この取消しを求める。
二 被告の認否
(一) 請求原因(一)の事実は認め、同(二)の書類閲覧請求の事実は否認する。
(二) 原告が被告の担当審判官に対し、書類の閲覧請求をしたことはない。
第三証拠
本件記録中の証拠関係目録記載のとおりであるから、ここに引用する。
理由
一、請求原因(一)のとおり、確定申告、本件原処分、審査請求、本件裁決がされたことは、当事者間に争いがない。
二、本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、原告が、担当審判官に対して原告主張の日に書類閲覧請求をした事実を認めることができる証拠は全く見当らない。
三、むすび
原告は、その他に本件裁決に固有の違法事由を主張しないから、本件裁決の取消しを求める原告の請求を失当として棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民訴法八九条に従い、主文の通り判決する。
(裁判長裁判官 古崎慶長 裁判官 小佐田潔 裁判官井関正裕は填補のため署名捺印することができない。裁判長裁判官 古崎慶長)
別紙
<省略>